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身体障害者福祉法上の分類と身体障害者手帳

身体障害者福祉法は、対象となる障害を5つに分類し、身体障害者手帳の交付をもって法の対象者(身体障害者)とする仕組みをとる。手帳の分類・等級はサービス利用や各種制度の入口になるため、相談支援専門員は「何級か」だけでなく「どの機能の障害で、生活のどこに影響しているか」を読み取れることが重要である。

法上の5分類

分類対象となる機能障害詳細ページ
視覚障害視力の障害、視野の障害視覚障害
聴覚・平衡機能障害聴力の障害、平衡機能の障害聴覚・平衡機能障害
音声・言語・そしゃく機能障害発声・構音・そしゃく(嚥下)の障害音声・言語・そしゃく機能障害
肢体不自由上肢・下肢・体幹・乳幼児期以前の非進行性脳病変による運動機能の障害肢体不自由
内部障害心臓・腎臓・呼吸器・ぼうこう又は直腸・小腸・HIVによる免疫・肝臓の機能障害内部障害
  • 法別表に定める障害が、一定以上の程度で永続することが対象の要件とされる。一時的な機能低下は対象にならない。
  • 内部障害は当初の心臓・腎臓・呼吸器から順次追加されてきた分類であり、対象は固定的でない(制度改正の歴史がある)。

手帳の等級

  • 等級は1級から6級まであり、数字が小さいほど重度である。障害の種類ごとに認定基準(等級表)が定められている。
  • 7級は等級表上は存在するが、7級単独では手帳は交付されない。7級の障害が2つ以上重複する場合、または7級の障害が6級以上の障害と重複する場合に、合わせて認定される。
  • 複数の障害が重複する場合は、指数合算の考え方で総合等級が決まる(個々の等級より重い等級になることがある)。
  • 障害の程度が変わったときは再認定・等級変更の申請ができる。進行性疾患などでは、あらかじめ再認定の時期が指定される場合がある。

診断・認定の仕組み

段階内容
診断都道府県知事等が指定する指定医(身体障害者福祉法第15条指定医) が診断書・意見書を作成する。主治医が指定医でない場合は指定医の受診が必要
申請本人(児童は保護者)が市町村の窓口に申請する
審査・判定都道府県等が認定基準に基づき審査する。判断が難しい場合は身体障害者更生相談所が専門的判定を行う
交付都道府県・指定都市・中核市が手帳を交付する
  • 診断のタイミングは原則として症状が固定した(治療してもそれ以上の回復が見込めない)段階である。疾患ごとに障害認定の時期の目安があるため、受障直後は「まだ申請できない」場合がある点を本人・家族に説明できるとよい。
  • 却下・等級への不服には審査請求の途がある。

等級とサービス・制度の関係

  • 障害福祉サービスの支給量は等級では決まらない。訪問系サービス等の利用は障害支援区分の認定と勘案事項により決定される。等級はあくまで「手帳制度上の重症度」である。
  • 一方、等級が直接効いてくる制度も多い: 医療費助成、税の控除、交通運賃割引、有料道路割引、駐車禁止除外、NHK受信料減免など。多くは「1・2級(重度)」で対象や内容が変わる。具体的な要件・自治体独自制度は地域情報で確認する。
  • 補装具・日常生活用具の対象品目も、手帳の障害名・等級と結びついている。
  • 同行援護(視覚障害)のように、障害種別が利用の前提となるサービスもある。

「等級=介助量」ではない

等級は医学的な機能障害の程度の指標であり、生活上の介助量・困りごとの大きさと一致しない。内部障害の1級でも歩行は自立していることがあり、肢体不自由の4級でも住環境次第で外出が困難なことがある。アセスメントでは等級を出発点にしつつ、ICFの視点(障害の捉え方)で生活場面ごとの支障を確認する。

相談支援での活用

  • インテーク時に手帳の障害名・等級・交付年月日を確認する。障害名から想定される生活課題(例: ぼうこう・直腸→ストーマ管理、聴覚→意思疎通手段)の見当をつけ、面接で具体を確認する。
  • 症状が進行・変化しているのに等級が古いままのケースでは、等級変更の申請を検討課題として挙げる(利用できる制度が広がる可能性がある)。
  • 手帳未取得の相談者には、取得のメリット・手続き・指定医受診の段取りを説明する。ただし取得は本人の選択であり、心理的抵抗(障害の受容と関わる)にも配慮する。
  • 3障害の手帳制度の比較は障害者手帳を参照。

相談支援専門員の視点

  • 手帳は「使える制度のインデックス」である。障害名・等級を見て関連制度を思い浮かべられると、情報提供の漏れが減る。
  • 中途障害の人にとって手帳申請は「障害者になったことを認める」体験でもある。手続きの説明と並行して、気持ちの揺れを受けとめる姿勢を持つ。
  • 診断書作成には費用と受診の負担がかかる。指定医の所在、更生相談所の判定が必要なケース(補装具等)の段取りは、地域の窓口(地域情報)で事前に確認しておく。

関連ページ

制度は改正される

手帳の認定基準・対象範囲・関連制度は改正されることがある。実際の手続き・要件は最新の法令・通知および自治体資料で確認すること。