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就労継続支援B型

障害者総合支援法の訓練等給付。雇用契約に基づく就労が困難な人に、雇用契約を結ばない形で生産活動の機会を提供し、知識・能力の向上のための訓練を行うサービス。生産活動の対価として工賃が支払われる。

基本情報

項目内容
根拠障害者総合支援法(訓練等給付)
対象雇用契約に基づく就労が困難な障害者(年齢制限なし)
障害支援区分不要
標準利用期間定めなし
利用者負担応能負担(上限月額あり)→ 利用者負担

サービス内容

  • 雇用契約を結ばない生産活動の機会の提供(軽作業・食品製造・清掃・農作業・内職など事業所により多様)。
  • 生産活動収益から工賃が支払われる。工賃水準は事業所差が非常に大きい。
  • 就労に必要な知識・能力の向上のための訓練、一般就労やA型への移行支援。
  • 通所日数・時間の柔軟な設定がしやすく、体調の波がある人の日中活動の場としても機能する。

対象者・利用要件の詳細

主な対象は次のいずれかに該当する人。

  • 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった人
  • 50歳に達している人、または障害基礎年金1級受給者
  • 上記に該当せず、就労選択支援等によるアセスメントにより就労面の課題等が把握されている人

補足事項:

  • 新規利用希望者は原則として就労選択支援を利用する(2025年10月から。→ 就労選択支援)。従来の就労移行支援事業所等によるアセスメントは置き換わっていく。
  • 特別支援学校卒業直後に直接B型を利用する場合もアセスメントが必要。
  • 障害支援区分は不要。暫定支給決定の対象でもない。
  • 年齢の上限はなく、65歳以上でも利用できる(介護保険サービスとの関係は自治体運用を確認)。

人員・運営基準の要点

  • サービス管理責任者のほか、職業指導員・生活支援員を配置。
  • 工賃は生産活動収益から支払うことが原則で、事業所は工賃向上計画の作成に取り組むこととされている。

報酬構造

基本報酬の決まり方(2体系の選択制)

事業所は次の2つの報酬体系のいずれかを選択する。

体系内容
平均工賃月額に応じた体系事業所の平均工賃月額の区分に応じて基本報酬が段階的に決まる。工賃が高いほど報酬が高い成果連動型。2024年改定で高工賃の事業所がより評価される方向に見直された
利用者の就労・生産活動等への参加等を評価する体系工賃額ではなく、利用者が就労や生産活動に参加したこと自体を一律に評価する体系。工賃向上よりも多様な就労機会・居場所機能を重視する事業所が選択する。ピアサポートの配置による加算はこの体系で算定できる

定員20人以下の場合の単位数(令和6年度報酬改定時点)は次のとおり。2024年改定で、従来の7.5:1より手厚い人員配置6:1の区分が新設された。

平均工賃月額に応じた体系(定員20人以下)

平均工賃月額7.5:1配置6:1配置(2024年新設)
4万5千円以上748単位/日837単位/日
3万5千円以上4万5千円未満716単位/日805単位/日
3万円以上3万5千円未満669単位/日758単位/日
2万5千円以上3万円未満649単位/日738単位/日
2万円以上2万5千円未満637単位/日726単位/日
1万5千円以上2万円未満614単位/日703単位/日
1万円以上1万5千円未満584単位/日673単位/日
1万円未満537単位/日590単位/日

参加等を評価する体系(定員20人以下・工賃区分によらず一律)

人員配置単位数
6:1584単位/日
7.5:1530単位/日
10:1484単位/日
  • このほか工賃連動体系には人員配置10:1の区分(定員20人以下で490〜682単位/日)もある。定員規模が大きいほど単位数は低くなる。全区分は報酬告示・WAM NETで確認。
  • 1単位の円換算は地域区分により約10円〜11.2円(地域・サービスにより異なる)。

主な加算

加算概要・主な要件単位数
目標工賃達成指導員配置加算工賃向上計画を作成し、目標工賃の達成に向けた指導員を配置した場合(平均工賃月額に応じた体系)45単位/日(定員20人以下。2024年改定で89単位から見直し)
ピアサポート実施加算研修を修了した障害当事者(ピアサポーター)等の配置による支援を評価(参加等を評価する体系)100単位/月
地域協働加算地域と協働した活動(参加等を評価する体系。2024年改定で新設)30単位/日
就労移行支援体制加算利用者が一般就労へ移行し6か月以上定着した実績を評価定員20人以下(6:1・7.5:1)で48〜93単位/日(工賃区分による)×前年度の定着者数
重度者支援体制加算重度障害者(障害基礎年金1級受給者等)の利用割合を評価(I)56・(II)28単位/日(定員20人以下)
福祉専門職員配置等加算社会福祉士等の有資格者の配置割合を評価(I)15・(II)10・(III)6単位/日
施設外就労・施設外支援に関する評価企業内での作業や職場実習等、施設外での支援の取り扱いは改定ごとに見直されているため最新の告示を確認
医療連携体制加算看護職員の訪問等による医療的対応の体制(I)32〜(III)125単位/日ほか
食事提供体制加算低所得等の利用者への食事提供体制30単位/日
送迎加算居宅等との送迎(I)21・(II)10単位/片道
欠席時対応加算欠席時の連絡調整・相談援助94単位/回(月4回まで)
初期加算利用開始から一定期間の支援を評価30単位/日(利用開始から30日)
在宅時生活支援サービス加算在宅利用者への生活支援体制を評価300単位/日
福祉・介護職員等処遇改善加算全サービス共通の処遇改善加算。率ベース(サービス種別・加算区分ごとの加算率による)所定単位数×加算率

主な減算・注意点

  • 定員超過利用減算、サービス提供職員欠如減算、サービス管理責任者欠如減算、個別支援計画未作成減算
  • 身体拘束廃止未実施減算、虐待防止措置未実施減算
  • 業務継続計画(BCP)未策定減算、情報公表未報告減算(2024年改定で導入された共通減算)

相談支援専門員の視点

  • 事業所ごとの個性が最も大きいサービス。作業内容・工賃水準・通所ペースの柔軟さ・雰囲気(にぎやか/静か)・送迎の有無で本人との相性が決まる。見学・体験利用を必ず挟む。
  • 平均工賃月額は公表されており、工賃収入を重視する人には高工賃事業所を、居場所機能を重視する人には参加評価型の事業所を、という選び分けができる。
  • 新規利用時は就労選択支援を先に計画へ位置づけるフローになる。市町村ごとの運用を確認する(→ 自治体別運用)。
  • 「とりあえずB型」にしない。就労選択支援のアセスメント結果を活かし、A型・就労移行・一般就労の可能性も本人と検討する。
  • 工賃は最低賃金の適用外であることを本人・家族に説明する。工賃と年金・手当を合わせた生計の見通しを立てておく。
  • 生活介護との使い分け(区分・介護の必要性・生産活動への意欲)や、加齢に伴う生活介護等への移行も長期的な視点で考える(→ 介護給付(概要))。

関連ページ

単位数の基準時点

本ページの単位数は令和6年度報酬改定(2024年4月・6月施行)時点。次期改定(2027年度見込み)で変わるため、請求実務では必ず最新の報酬告示・WAM NETを確認すること。