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重度障害者等包括支援

障害者総合支援法の介護給付。常時介護を要し意思疎通に著しい困難がある最重度の障害者に対し、居宅介護・重度訪問介護・短期入所・生活介護などの複数サービスを一つの事業所が包括的に調整・提供する仕組み。

基本情報

項目内容
根拠障害者総合支援法(介護給付)
対象常時介護を要し、意思疎通を図ることに著しい支障がある最重度の障害者・障害児
障害支援区分区分6(障害児は相当する状態)
標準利用期間なし
利用者負担応能負担(上限月額あり)→ 利用者負担

サービス内容

  • 事業所が利用者ごとに包括的なサービス利用計画を作成し、居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・短期入所・生活介護・自立訓練・就労系サービス・共同生活援助などを組み合わせて提供する。
  • 状態変化に応じてサービスの組み合わせを事業所の裁量で柔軟に変更できることが制度上の狙い。個別サービスごとの支給決定を待たずに、生活の変化へ即応することを想定している。

対象者・利用要件の詳細

区分6(障害児は相当する状態)で意思疎通に著しい困難がある人のうち、次のいずれかの類型に該当すること。

類型状態像
I 類型重度訪問介護の対象で、四肢すべてに麻痺等があり寝たきり状態。気管切開を伴う人工呼吸器による呼吸管理を行っている人(筋ジストロフィー・脊椎損傷・ALS・遷延性意識障害等)
II 類型I 類型と同様の状態像で、最重度の知的障害を伴う人(重症心身障害者等)
III 類型強度行動障害があり、認定調査の行動関連項目等で最重度の状態にある人

類型判定の細部(認定調査項目の該当条件等)は自治体・報酬告示の確認が必要。

人員・運営基準の要点

  • サービス提供責任者には、相談支援専門員の資格を有し重度障害者支援の経験がある者など、高い要件が課される。
  • 24時間の連絡・サービス提供体制の確保が求められ、単独の事業所で複数サービスを提供(または再委託により確保)できる体制が前提となる。

報酬構造

基本報酬の決まり方

  • 個々のサービスの出来高積み上げではなく、利用者ごとに作成する包括的なサービス利用計画に基づく包括報酬の仕組み。支給決定も個別サービスの時間数ではなく包括的な総量として行われる。
  • 組み合わせる各サービスの提供実績を事業所が管理し、包括的な報酬の範囲内で運用する。
  • 詳細な算定構造は実施例が少なく運用情報も限られるため、利用を検討する場合は自治体・報酬告示で個別に確認すること。

単位数(令和6年度改定時点)

項目単位数
基本報酬(重度障害者等包括支援サービス費: 時間単価型/短期入所・共同生活援助利用時は日単価)(要確認)実施例が少なく信頼できる公開情報が限られるため、報酬告示・WAM NETで直接確認すること
福祉・介護職員等処遇改善加算率ベース(区分Ⅰ〜Ⅳ等、サービス種別ごとの加算率による)
  • 円換算は地域区分により1単位=10円〜11.2円程度。

主な加算・減算

  • 全サービス共通の福祉・介護職員等処遇改善加算、および共通減算(身体拘束廃止未実施・虐待防止措置未実施・業務継続計画未策定・情報公表未報告)が適用される。
  • サービス固有の加算体系はごく限られる。詳細は報酬告示を確認。

実施事業所が極めて少ない現状

  • 24時間対応・複数サービス提供体制・高いサ責要件というハードルから、全国的に実施事業所が極めて少なく、利用実績もごくわずかにとどまっている。地域によっては県内に事業所が一つもないことも珍しくない。
  • 実務上は、本サービスの対象に相当する最重度者であっても、重度訪問介護(区分6の割増)+短期入所+訪問看護(医療保険)等の個別サービスの組み合わせで支援体制を構成するのが一般的である。

相談支援専門員の視点

  • まず地域に実施事業所があるかを確認する。ない場合に無理に本サービスを追求するより、個別サービスの組み合わせで同等の支援密度を実現する計画を検討するのが現実的。
  • 本サービスの対象者像(重度包括対象者)に該当するかどうかは、重度訪問介護の最重度者向け割増や短期入所生活介護の重度者評価にも関わるため、該当性の整理自体に意味がある。
  • 医療依存度が高いケースでは、療養介護(入院による支援)との比較検討、訪問看護・在宅医療との役割分担の整理が不可欠。
  • 家族の介護力が急変した場合の緊急対応(緊急短期入所等)を計画に織り込み、地域生活支援拠点等の登録も検討する。

最重度ケースの検討フロー(実務の目安)

  1. 状態像の整理: 区分6か、医療的ケアの内容(人工呼吸器・気管切開・吸引頻度等)または行動障害の状態(行動関連項目)を確認する。
  2. 地域資源の確認: 重度障害者等包括支援の実施事業所の有無 → ほぼ「なし」の前提で、重度訪問介護の長時間対応が可能な事業所・訪問看護ステーション・受け入れ可能な短期入所を洗い出す。
  3. 在宅か入院か: 在宅継続(重度訪問介護中心)と療養介護(入院)を、本人・家族の意向と医療リスクの両面から比較する。
  4. 緊急時対応の設計: 主介護者が倒れた場合の対応(緊急短期入所、医療機関受け入れ)を計画書に明記する。

「重度包括対象者」該当性のメモを残す

本サービスを実際に使わなくても、重度包括の対象に相当する状態像であることは、重度訪問介護の最重度者向け割増や短期入所の重度者評価の根拠となる。アセスメント時に該当性の判断材料(区分・調査項目・医療的ケア)を記録として残しておくと、後のサービス調整・審査会対応で役立つ。

単位数の基準時点

本ページの単位数は令和6年度報酬改定(2024年4月・6月施行)時点。次期改定(2027年度見込み)で変わるため、請求実務では必ず最新の報酬告示・WAM NETを確認すること。

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