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療養介護
障害者総合支援法の介護給付。医療が必要で常時介護を要する重度障害者に対し、病院等への入院を基盤として、主に日中に機能訓練・療養上の管理・看護・介護・日常生活上の支援を行うサービス。福祉部分(療養介護)と医療部分(療養介護医療)が一体的に提供される。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | 障害者総合支援法(介護給付) |
| 対象 | 病院等での医療的ケアと常時の介護を必要とする重度障害者 |
| 障害支援区分 | 区分5以上または区分6(下記の対象要件参照) |
| 標準利用期間 | なし(長期の入院利用が前提) |
| 利用者負担 | 応能負担(上限月額あり)。療養介護医療費・食事療養費の負担が別途あり、減免制度がある → 利用者負担 |
サービス内容
- 病院等に入院しながら受ける、機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理下の介護、日常生活上の支援(主として日中)。
- 医療は療養介護医療費として給付され、福祉サービス部分と一体的に提供される。
- 筋ジストロフィー病棟・重症心身障害児者病棟を持つ病院(旧国立療養所系の病院、公立・法人立の専門病院等)が主な実施主体。
- 生活の場が病院となるため、日中活動・余暇・学習・コミュニケーション支援など生活の質に関わる支援も重要な構成要素となる。
対象者・利用要件の詳細
長期の入院による医療的ケアに加え、常時の介護を必要とする人で、次のいずれかに該当すること。
- 気管切開を伴う人工呼吸器による呼吸管理を行っている人で区分6(ALS等)
- 筋ジストロフィー患者または重症心身障害者で区分5以上
- 上記に準ずる人として、改定等で対象に位置づけられた人(医療的ケアの必要度が高い人の取り扱いは自治体・告示で確認)
- 障害児は児童福祉法の医療型障害児入所施設等の体系で対応し、18歳以降に療養介護へ移行するケースが多い(移行時の区分認定・支給決定手続きに注意)。
人員・運営基準の要点
- 病院として必要な医師・看護職員に加え、生活支援員等を配置。サービス管理責任者を置き、個別支援計画(療養介護計画)を作成する。
- 医療機関であるため、福祉側の運営基準と医療法上の基準が二重にかかる構造。相談員としては「病院でありながら障害福祉サービスの個別支援計画・モニタリングの枠組みが適用される」ことを押さえておけばよい。
報酬構造
基本報酬の決まり方
- 1日単位の報酬。利用者に対する従業者の配置体制(人員配置の手厚さ)に応じた複数区分で単価が設定される。
- 医療部分は療養介護医療費として別立てで給付される(報酬告示上も福祉部分と区別される)。
基本報酬の単位数(令和6年度改定時点・抜粋)
療養介護サービス費(Ⅰ)〜(Ⅴ)は従業者配置の手厚さによる区分。定員規模が大きいほど単価は低くなる。
| 区分 | 定員40人以下 | 定員81人以上 |
|---|---|---|
| 療養介護サービス費(Ⅰ) | 974単位/日 | 861単位/日 |
| 療養介護サービス費(Ⅱ) | 710単位/日 | 595単位/日 |
| 療養介護サービス費(Ⅲ) | 561単位/日 | 481単位/日 |
| 療養介護サービス費(Ⅳ)(Ⅴ) | 452単位/日 | 366単位/日 |
- 定員41〜60人・61〜80人の中間区分、療養介護計画未作成減算等の詳細は報酬告示・WAM NETで確認。
- 円換算は地域区分により1単位=10円〜11.2円程度。
主な加算
療養介護は基本報酬に体制評価が織り込まれており、加算の種類は日中活動系サービスに比べ限定的。
| 加算 | 概要・主な要件 | 単位数 |
|---|---|---|
| 地域移行加算 | 退院して地域生活へ移行する利用者への退院前後の相談援助・連携の評価 | 500単位/回(入院中2回・退院後1回まで) |
| 集中的支援加算 | 状態が悪化した強度行動障害のある利用者への広域的支援人材による集中的支援(2024年改定で新設) | 1,000単位/回(月4回まで) |
| 福祉専門職員配置等加算 | 社会福祉士等の有資格者の配置割合の評価 | (Ⅰ)10・(Ⅱ)7・(Ⅲ)4単位/日 |
| 福祉・介護職員等処遇改善加算 | 全サービス共通の処遇改善評価(2024年6月に一本化・4段階) | 率ベース(サービス種別ごとの加算率による) |
このほか人員配置体制加算などの体制評価は報酬告示で確認すること。
主な減算・注意点
- 定員超過利用減算、人員欠如減算。
- 全サービス共通: 身体拘束廃止未実施減算、虐待防止措置未実施減算、業務継続計画(BCP)未策定減算、情報公表未報告減算。
- 利用者負担は福祉部分に加えて療養介護医療費・食事療養費の自己負担が生じる。所得に応じた減免があるため、負担額の説明は制度を確認したうえで行う → 利用者負担。
相談支援専門員の視点
- 対象は「入院による医療+常時介護」が必要な最重度の人。在宅で重度訪問介護+訪問診療・訪問看護により生活する選択肢との**比較検討(本人・家族の意向確認)**が計画作成の出発点になる。
- 実施医療機関が少なく、地域によっては県外の病院しか選択肢がないことがある。空床状況・入院待機の実情を早めに確認する。
- 18歳到達時の医療型障害児入所施設等からの移行は、区分認定(区分5・6の見込み)と支給決定のスケジュール管理が重要 → 支給決定・障害支援区分、障害児支援。
- 長期入院が前提でも、計画・モニタリングでは本人の意思決定支援、家族との交流、外出・一時帰宅、地域移行の可能性を継続的に確認する → モニタリング。
- 人工呼吸器使用者等では、意思伝達装置の導入(補装具)やコミュニケーション支援を計画に位置づける。
よくある論点
| 論点 | 考え方 |
|---|---|
| 在宅か療養介護か | 医療的ケアの内容だけで決まらない。介護者の状況、在宅医療資源(訪問診療・訪問看護・レスパイト入院先)の有無、本人の意向を総合して判断する |
| ALS等の進行性疾患 | 病状進行に応じて在宅(重度訪問介護)→療養介護という経過をたどることがある。早期から両方の選択肢を情報提供し、意思決定を急がせない |
| 入院中の他サービス | 療養介護利用中は在宅系サービスとの併用は原則想定されない。外泊時・退院移行期の支援の組み立ては自治体と個別に協議する |
| モニタリング | 生活の場が病院内で完結しやすいためこそ、定期訪問で本人の表情・生活の変化を直接確認する意義が大きい |
家族との関係維持も計画の視点
長期入院では家族の面会頻度が徐々に減っていくことが少なくない。面会・外出・行事参加など家族とのつながりを保つ支援や、本人の楽しみ(音楽・学習・機器を使ったコミュニケーション)をサービス等利用計画の目標に位置づけることで、病院任せにしない支援ができる。
単位数の基準時点
本ページの単位数は令和6年度報酬改定(2024年4月・6月施行)時点。次期改定(2027年度見込み)で変わるため、請求実務では必ず最新の報酬告示・WAM NETを確認すること。